「まあともかく、復活編の劇場公開版は日本の戦中派的結末、復活編のDC版はドイツ的結末と考えると面白いのと分かったので、事実かどうかは別としてやってみよう」
「知らないのかよ」
「そんなもん、当事者の心の中を覗けない以上、正解なんて分からない」
「分からないのにやるのかよ」
「そうだな」
「理由は?」
「面白いからだ」
「ひでえ」
本題 §
「さて、小林誠ワードとしてこういう単語がある」
「どこにあるんだい?」
「小林誠作品を見ていくと出てくる」
「それで意味はなんだい?」
「そこだ」
- ランツクネヒト=1486年にマクシミリアン1世によってスイス傭兵を教師にして編成されたヨーロッパ(主にドイツ)の歩兵の傭兵である
- スパンダウ=シュパンダウ=ドイツの地名
- ミュンヒハウゼン男爵=ほら男爵=ドイツ貴族
「つまりなに?」
「どちらもドイツにつながってくる。小林ワールドの軸はドイツだったのだよ」
「ドイツ趣味の人はは多いよ」
「確かにねナチス趣味の人は多いよ。ナチス趣味はね」
「ナチス趣味とドイツ趣味は違うわけ?」
「違う」
「どこが違うわけ?」
「ドイツとは輪郭が不明確な国家なのだ」
「どういう意味?」
「イタリア経営を夢見たドイツ、ローマ帝国再興を夢見たドイツ、小国乱立だったドイツ、全て輪郭が不明確なのだ」
「イタリアまでが範囲に入るのか分かりにくいし、ローマ帝国になるともっと範囲が広がるけど、それはあくまで夢ってことだね」
「しかも小国乱立だ。どこからどこまでがドイツか明瞭ではない」
「それで?」
「そんなことをしているからドイツは植民地獲得競争に出遅れて、科学立国を目指すことになる」
「それがドイツの科学は世界1って意味だね」
「そうそう」
「話をヤマトにしてよ。ドイツ興味無いよ」
ヤマト復活篇の結末とは §
「ヤマト復活篇の結末とはは古代が敗北を受け入れることによって、地球が救われる話だ。つまり、日本が無条件降伏することで日本が救われるってことだ」
「それが戦中派の西崎世界観ってことだね」
「そうだ。ところがDC版になると小林世界観が入ってくる。それが一体何かがやっと見えてきた」
「それはなんだい?」
「劇場公開版が日本の終戦ならDC版はドイツの終戦なんだよ」
「ドイツが降伏してドイツが救われる結末じゃないの?」
「違う。ドイツは救われないのだ」
「えー」
「だってベルリンにソ連軍は踏み込んでくるし分割されちゃうのだぞ」
「ひ~」
「だからさ。DC版の最後に出てくる大船団は何か」
「なに?」
「あれは、ソ連軍に降伏すると何をされるか分からないからベルリンを逃げ出してアメリカ軍に降伏しようと西に向かう人達なんだよ」
「えー」
「そして、ベルリン宣言によって中央政府が消失する。つまり政府が一時的に消失する。だから政府再建計画が必要とされるわけだ」
「政府はどう再建されるのさ」
「だからさ。西ドイツの政府はボンで再建されるわけだ」
「それがアマール相当なんだね」
「かもね」
「な、なるほど。では銀河中心に向かったヤマトは何に相当するわけ?」
「要人が亡命したと噂のある南米に向かったんだよ」
「行き先は南米か!」
ドイツ論をぶつのはドイツだ §
「君はナチスが好きじゃないだろ?」
「そうだな。別に好きじゃない」
「なのにドイツはいいわけ?」
「ナチスはそれほど面白いと思わないが、ドイツは面白いぞ、世界史的には」
「なんで世界史的な話をするんだよ」
「共通一次で世界史選択したから」
「すげえつまんない理由」
「っていうかさ。代ゼミで世界史の授業に出たら人が非常に少なくてさ。先生も予備校講師って感じじゃなくて研究者がバイトしてる感じで。聞いていたらやたら面白いんだよ、世界史にはまった瞬間だね」
「おいおい。代々木ゼミナール行って世界史の面白さに開眼してるのかよ」
「イタリアだってフランスだって面白いけど、特にドイツは面白いと思うよ」
「そんなことを言うのはドイツだよ」
オマケ §
「というわけで結末が見えた」
「何だよ」
「壁で隔てられた2つの地球が、壁崩壊に伴って1つになるんだよ」
「地球の地球とアマールの地球だね」